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ファッションに心を動かされ続けてきた。
好きというより、いつもそこにあった。
だから大学も迷わずファッションの道を選び、
ただ、当時はバイヤーを目指して入学した。
だがいざ学び始めると、制作の授業では思うように評価が伸びず、特にデザインには苦手意識があった。
そんなとき、偶然手に取ったのが岡本太郎の『自分の中に毒を持て』だった。
読んでいるうちに、怖さや苦手意識から逃げるのではなくあえて飛び込んでみるべきなのかもしれないと思うようになった。
それ以前の人生で逃げるという事を意識して選択していた記憶はあまり無いが、悔しくて見過ごせなかったのも少しあったのかと思う。
そして2年次のコース選択で、将来を見据えたファッションビジネスの道ではなく、あえてデザイナーコースを選んだ。
コース修正期限を過ぎていたため、かなり怒られたのは今でも覚えている。
これは苦手なことに真正面から向き合う選択だった。
当然、最初からうまくいくはずがない。
試行錯誤を重ねるうちに、いつの間にか「デザインすること」にのめり込んでいた。
学内外のファッションコンテストや卒業制作での経験が自信という感覚につながった。
バイヤーではなく、デザイナーとして生きていく。そんな未来が見えた瞬間だった。
私はこの選択によって、人生が変わったと実感している。
もしあのとき、異なる道を選んでいたら今とはまったく違う形でファッションと関わっていたかもしれない。
それはそれで面白そうだが、やり直しの利く人生はあまり聞いたことがない。
「苦手だからこそ飛び込む」それは簡単なことではないがその先には、自分でも想像できなかった今が進んでいる。
ENSWはそんな選択の瞬間に寄り添うブランドでありたいと思っている。
この場合の選択は人生への影響がかなり大きいが、人生は小さな選択の積み重ね、連続だと思っている。
選ぶことに迷ったとき、ただ流されるのではなくほんの少しでも自分の意思を持つ。
そのためにENSWの服がそっと背中を押す存在になれたらいい。
ただその選択は必ず自由であってほしい。
肩の力を抜きながらも、確かに自分の足で歩いていけるように。
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選択を迫られる日々の中でただ身を委ねるのではなく、自分の意思を持ちながらも肩の力を抜いて前に進んでいく。
男性的なパターンをベースにしながらも、どこか色気を感じさせるシルエット。
日常の何気ない瞬間を切り取ったような色や素材がリラックス感を引き出す。
ひとつひとつに理由がありながらも、手に取る人がそれをどう解釈するかは自由だ。
改めてコンセプトを読んだら、
また違う印象になるのかも。
女性が男性らしい装いをすることでアンバランスさがより女性らしさを際立たせる。
日常に寄り添い、自らの生活の一部となり、溶け込む。
どこかリラクシングなシルエットを基調に。
ENSW(エンス)はEast, North, South, Westの頭文字からなる。
人生の分岐点。
毎日を過ごす日々の中には大きな決断や選択を迫られる場面がある。
答えは一つではない、媚びずに自由な選択に生きる女性像を掲げ、タイムレスに表現していく。